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すべてがFになる / 森博嗣
百年シリーズ、スカイ・クロラシリーズがよかったので、今更ながらこちらに流れて来ました。 新参者です。 だから真賀田四季博士が(百年の)あの人らしいという情報も小耳に挟んでいるし、“ミチル”という名前に過剰反応してしまう自分もいるし・・ なかなかまっさらな気持ちでページを繰るのは難しいのですが、所詮ちっぽけな脳細胞でもやもや考えたところで埒が明かないのだし(スカイ・クロラシリーズで懲りてますから;;)、独立したミステリ作品として純粋に一作一作楽しんでいきたいものです。
密室、孤島、犯人の狡知と探偵の叡智・・という点では古典的な様式に則りながら、コンピュータ・プログラム技を炸裂させる、いわゆるサイバーな“理系ミステリ”。
N大学工学部建築学科の犀川助教授と、お嬢様学生の西之園萌絵コンビが活躍するS&Mシリーズと呼ばれる著者のファースト・シリーズの記念すべき一作目。 (執筆順としては4作目だったらしいですが)森さんのデビュー作です。 時代背景がパソコン黎明期(?)ごろなので、難解ながら微妙に懐かしい香り。 ちょっと古いワンボックスのマッキントッシュSEが可愛くて手放せないとか!
噂に名高い(?)西之園萌絵ちゃんとはこんな子なのかーって。 記憶さえ封印してしまうほどの辛い過去を経験していたのね。 表面的な奇抜さや大胆さや無謀さは、深い痛みに対する反動というのか、無意識の防衛だったりするのかもしれない。 真賀田博士と萌絵は、どこかでシンクロしている。 真賀田博士は、別の選択肢を生きたかもしれないもう一人の自分を萌絵に託そうとしてるみたいで・・わからないなりに、なんだか切なかったのです。
しかし、なんといいますか、百年シリーズ(2作)から逆読みしているわたしには、最初から真賀田博士のサイコっぷりが、遠大なる構想と深遠なる条理に裏打ちされたものであるに違いないという先入観というか・・ 期待感(と裏腹の懐疑心)のようなものがどうにもこうにも貼り付いちゃってるんだよね。良くも悪くも。 そうか、そうなのか、こうして始まったのか・・と。 一見、whyを切り捨てている素振りをしているのが、いっそ癪であるよなぁ〜などと。
で、やっぱ森さんの世界観でしたー。圧倒的に。 システマチックなクールさと、フラジャイルな詩情とが共鳴し合った哲学的ライトノベル・・風。 犀川助教授が抱く煩雑で不純な現実社会への反発心や諦念、無心さへの郷愁は、やがてスカイ・クロラシリーズに引き継がれて結晶化されたといってもいいかもしれませんね。 深い感懐を抱きつつ・・ あ〜、先が長くて楽しみっ♪


すベてがFになる
森 博嗣
講談社 1998-12 (文庫)
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