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六人の超音波科学者 / 森博嗣
愛知県の山岳地帯、ある山の頂き近くに建てられた最先端の超音波研究所のパーティに招待された紅子と練無。 招かれなかったものの、成り行きで参加することになった保呂草と紫子。 唯一のアクセスルートである橋が爆破され、“陸の孤島”と化した研究所で殺人事件が発生。
久々にガチな(見取り図付き!)館系ミステリ来ましたー。 いわくありげな雰囲気満点のシチュエーションに、登場人物の保呂草や紅子まで、のっけから胡散臭さを嗅ぎ分けている様子で、そんな不自然な状況を“残留した応力が解き放たれないまま凝結してしまった物質みたい”などと表現している紅子です。
さすがにVシリーズにも力づくで馴染んできた感があり、キャラがそれなりに自分の中で咀嚼されてきた分、シリーズ補正でかなり楽しめるようになりました。 最近はもっぱら、トムとジェリーみたいに仲良し(笑)な、七夏&保呂草のリレーションシップに期待してたりして。 あと、七夏さー、この際、立松くんで手打っちゃったら? 幸せになれるよきっと・・などと、いらぬお世話をしたくなったり。 もしかしてわたし、七夏が好きなのかなw
メイントリックはオーソドックスでこれ見よがしなほど王道。 森さんが王道? 冗談でしょ? ってことをわざとやってる節があります。 保呂草による講釈(いつもの手続き)において、“やりますよ”と、作為を宣言することで抜かりなく予防線を張って、弱点を美点にすり替える十八番の技が発揮されてるし。 反則〜と思うけど突っ込めない・・それが森ミス。 魔法陣の暗号解読が面白かったな。
気になったことが一つ。 先の作品で回収する予定があるのかもしれないけど、凝りに凝ったミスディレクションのつもりなのか、単なる肉付けにしてはあまりに中途半端で勿体無い素材があって・・ ついついそこをもっと教えて!って気持ちになっちゃう。 こういう放置プレイはほんと意地悪だと思う・・orz
明らかに不可能だと思われる行動がなされた形跡はなく、今回はいつものような密室ものとは一味違う感じ。 読みどころは、やはり何と言ってもクローズド・サークルの緊張感。 そして、どのような意志でパーティが開かれ、なぜ殺人事件は起こったのか? といった動機方面に力点が置かれていたのも特徴的で、森さんにしては珍しく卑近な分かり易さで描かれていました。 それにしても・・ 理論と実践はイコールで結ばれないことを上手いこと証明してくれましたな。
物語中の電子工学的な技術の水準から憶測するに、やっぱり「時代がかなり昔」なんじゃないかという期待が膨らみ、わたしの妄想は着々と後押しされておりますw

<後日付記>
あぁぁぁ! ちゃんと順番に読んでいれば“あまりに中途半端で勿体無い素材”なんて浅はかな感想を書かずに済んだのに><
練無と纐纈氏の繋がりは短篇集「地球儀のスライス」の中の「気さくなお人形、19歳」という短篇で描かれているのだそうです。 更に、未回収の部分は「朽ちる散る落ちる」への伏線として作用していることも判明しました。 せっかちなぼやき、申し訳ありません。


六人の超音波科学者
森 博嗣
講談社 2004-11 (文庫)
関連作品いろいろ

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