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捩れ屋敷の利鈍 / 森博嗣
「魔剣天翔」に登場した宝剣“エンジェル・マヌーバ”を求めて、現在の所有者である熊野御堂家の主に接近を試みる保呂草は、美術鑑定士として別荘に招かれることに。 そこでN大学院生の西之園萌絵と、私立大学助教授の国枝桃子の2人と邂逅を果たします。
ということで、なんと、大興奮のスペシャルコラボ作ではありませんか。 S&Mシリーズ、Vシリーズと順番に読んできた読者なら、登場人物紹介ページを目にして、よっしゃ!! って思ったはずです。 以下、未読の方はご注意くださいませ。
読者が薄々感づいて、期待に胸ふくらませること暫し、もうそろそろ我慢の限界ぃ! って頃合いを見計らっての狙いすました一冊・・には違いないと思うんですが・・
いやぁー、見事、期待に応えませんなー。 尻尾を出しません;; エピローグに紅子を登場させたことがせめてものサービスなのだよと、プロローグで示唆している通り。 うぅ、食い足りない食い足りない。 結局このままはぐらかされてシリーズ終わるんだろうな。 だって保呂草が“永遠に喋らない”って宣言しちまってますからね。
ま、自分の場合、明確な答えを手渡されないもどかしさの中で悶え読みするのが森ミスの正しい読み方(嘘です)と思っているので、イヤよイヤよもスキのうち(?)なんだけどね^^;
数寄者の主が別荘に建てさせた白いコンクリート製の巨大なオブジェ、通称“捩れ屋敷”は、中心部を空洞化した“メヴィウスの帯”状の構造で、内部は間仕切りされた36個の部屋が連なってエンドレスの通路になっており、エンジェル・マヌーバもこの部屋の一室に眠っています。 更に敷地内には、密室の謎解きのために造られたとおぼしきログハウスまで存在し・・ 保呂草&萌絵コンビでお送りする、隔離された特殊空間での殺人事件と宝剣消失のミステリィ。
確かに、保呂草が指摘する通り“風変わりな手法”で犯人が言い当てられていました。 正規のミステリファンにはボコられること確実な、こんな意外性がまだ残されていたんだと顔を引き攣らせながら納得しました。 探偵役のプライド放棄にもほどがあるだろ;; 結局これは、保呂草の本質が探偵ではなく美術品泥棒であることを示唆しているのだろうと強引に咀嚼。 あと、犯人の扱いが;; 卑俗、凡庸を見下して小馬鹿にしている森さんの最終兵器発動みたいな寒々しさもちょっと感じたかな。 ミステリ的には、建造物の意匠を楽しめれば吉かなーというところで。
“一時の違和感を楽しんでいただきたい”とは、記述者、保呂草の言葉。 “捩れ屋敷”の左右の壁、天井と床は、“一度も接触していないのに実は繋がって”いて、まるで「紅子さんと犀川先生」のよう。 歪んだ時空を予感させ、平衡感覚を奪うようなイメージの広がりによって演出されるに相応しい思惑を秘めた(そう思っていいんですよね?)作品です。
“制約”を考えると無理もないと思うわけですが、Vシリーズからは、保呂草のみの登場です。 今回は、萌絵が七夏の穴を埋めてくれてた感が^^; ごめん、さっき“&”って書いたけど“vs”のが近いね。
萌絵もだけど、国枝先生に久しぶりに逢えて嬉しい。 保呂草の国枝先生観察がGJで、取り付く島もないほど硬質で無機的なのにチャーミングなんだよねー。 やはり個人的に国枝先生が和む。 受話器の向こうのすっとぼけた犀川先生きゃー、声だけでも聞けて喜ばしい。 相変わらず萌絵に甘えてますねー。 “切るよ”とか“来なくていいよ”とか言っちゃってさー。 萌絵が“あ、待ってください!”とか“いいえ、伺います!”とか応えてくれるのがわかってるからってさー。 このこのこのぉ「へっ君のくせにぃーwww」 はぁー、S&Mシリーズに帰りたい・・
余談ですが。 伏字にしなくていいかな、まぁいいや。 “瀬在丸紅子と西之園萌絵の二人の類似を、私よりもさきに知った人物がいたことだけは確かだ”と、保呂草さんが言ってますが、これ、「犀川先生マザコン」フラグでOKですか? 冗談です。 でも冗談抜きで、そもそも紅子さんて、「萌絵と真賀田博士を足して2で割ったっぽくないですか」? んもぉ〜、へっ君たら! 顔がニヤけて元に戻らないので助けて。


捩れ屋敷の利鈍
森 博嗣
講談社 2005-03 (文庫)
関連作品いろいろ
★★
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