どちらかが魔女 / 森博嗣
[副題:森博嗣シリーズ短編集] シリーズの食べ残しを拾おうかなってくらいで、そんなに期待値も高くなかったんですが、美味しい美味しいっ♪ 既刊の短編集に散在しているシリーズ短篇を一冊に再編したスペシャル連作集です。 ご自身がセレクトされた選りすぐり8篇。 どうせなら全部読ませて頂戴なーとか、ガツガツ思ったことを謝りたい・・orz
時系列順に並べられたストーリーの展開も美しいし、一話目と最終話を照応させる仕掛けも鮮やかだし、とても“寄せ集め”とは思えない首尾。 一篇一篇が最初からこの一冊のために書かれたかのような完璧な調和に驚倒させられます。
以下、ネタバレご注意ください。 紹介文に“S&Mシリーズ豪華短編集”とあるんですが、そう、敢えてこの表現が意味深?! と言えなくもない。 一番心惹かれたのは、やはり“捩れ屋敷”に迷い込んだような酩酊感を伴う時空マジックです。 一話目と二話目の流れるような連続性が心憎い。 Vシリーズを読んでいる者にとっては、フランソワが誰なのか、薄々見当はつくものの釈然としないまま読み進めるほかないんですが、全篇に渡ってサブリミナルのように彼女を登場させているのも効果的で、最終話の種明かしには快哉を叫びたくなりました。 明確な答えを手渡してもらえるなんて思ってなかったから。 しかも、練無と紫子ちゃん、えぇぇぇーー! そういうことになったん? きゃー! のオマケ付き。
最高の一篇をあげるなら「双頭の鷲の旗の下に」。 森さんにここまで気持ち良く騙してもらえるとは思わなかった。 キャラへの思い入れの深さを逆手に取られた格好なのが悔しくもあり、恥ずかしくもあり、嬉しくもあり。 しかも国枝先生の秘蔵お宝名珍場面が拝めます。
まるで「黒後家蜘蛛の会」へのオマージュのような諏訪野三部作(?)もよかったです。 ヘンリーの華麗さとは一味も二味も違う諏訪野老人らしさがそれぞれに滲み出ていて^^ 特に「石塔の屋根飾り」のオチが微笑ましかったなー。
そして、やはり萌絵と犀川先生の軌跡をこんなに胸キュンのアングルで辿らせてもらえたことが幸せ。 んもぉー、先生ったらどんだけクリスタル・ハートなのぉー。 中坊なみにおぼこい犀川先生から指輪をせしめた萌絵に乾杯!
森さんは意地悪だとかドSだとか悪し様に言ったことを許して欲しい・・短篇でとびきりのファンサービスしてくれてたんですねぇ。 ありがとう〜!


どちらかが魔女
森 博嗣
講談社 2009-07 (文庫)
関連作品いろいろ
★★★★
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