三階に止まる / 石持浅海
石持さんは馴染みの薄い作家さんなんですが、新刊が気になっていたので読んでみました。 ノンシリーズとしては初短篇集なのだとか。 ホラー風味なミステリで、緊迫した閉鎖的スペース感と毒モチーフが印象的。 日常から少しく乖離した準SFチックな架空間は、その斜め上的ズレ加減がぞわっとシュール^^; これは・・ そう、ソリッド・シチュエーションってやつよね! エキセントリックな状況や境遇の不可侵性を描くのが上手い作家さんだ。
好みは「転校」「三階に止まる」あたりかな。 総じて、実在感があるような無いような登場人物たちが変w ねーよ!って場面で唐突に場違いな推理に耽り出す超然ぶりとか、ほとんどバッドエンドなんだけど、そこに一掬の微苦笑が混入する塩梅とか、根本的に何か微妙に調子が狂ってる感じがするw でも、論理の開陳パートがメインディッシュになっているのが流石で、ハウダニットに力点を置いた堅牢さがミステリとしての骨格を確りと支えている。
きっちり人間ドラマが入ってるからディープなトランス感はなく、一定のエンタメ律が保持されている気安さ手軽さを素直に楽しむタイプの作品なんだと思う(ほんと?)のだけど、ひねこびてるもんだから、逆にそこの気色悪さに惹かれてしまいました。 ヒューマンとマッドが同居しているような食い合わせの悪さ・・ これ、特に顕著に感じのは「黒い方程式」だったな^^;
一番長い「院長室」は、“世紀「謎」倶楽部”の企画もので、「EDS 緊急推理解決院」というアンソロジーに投稿作家の一人として参加した作品とのこと。 ミステリ界の名探偵諸氏を丸々名探偵たらしめるために、遂にこんなお誂え舞台を作っちゃいましたーっていう振るった企画で、ちょっと調べたところでは連作長編っぽいみたい。 単品で全然普通に完結してる(ように見える)秀作なんだけど、他作品とどんな風に補完し合ってるんだろう。 読んでみたい♪


三階に止まる
石持 浅海
河出書房新社 2013-07 (単行本)
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