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天平冥所図会 / 山之口洋
巻頭の主要登場人物紹介で取り上げられている12名は、みんな実在する人物なのですが、おまいは誰だ? と思ったら、ます作者の山之口さんのブログに行ってみてください。 コンパクトな人物紹介が載っていて気が利いています。 おかげでこの時代に非常に馴染みの薄いわたしもバッチリ(あくまで自己満足)楽しめました。 装画の似顔絵が可愛い〜♪ 悪玉の藤原仲麻呂ですら、バイキンマンキャラのように見えてきて、憎めなくなってしまう程に・・
東大寺大仏建立に携わった庶民の悲喜劇、献物帳(後の国家珍宝帳)のできるまで、藤原仲麻呂の乱、弓削道鏡の我世の春と転落・・ 聖武天皇から称徳天皇までの天平の世の四つの事件やエピソードを取り上げて、そこから浮かび上がる人々の暮らしぶりや栄華の移りゆく様を描いた連作長編。
一見、まるで現代人が天平ごっこをしているみたいな、ベタなお芝居を観ているような・・なんていったら失礼かもしれないけど、そんな愉しさ、明るさ、お茶目さがあって、ぐいぐい読めてしまうのだけれど、その奥行きはとても深く、人生観とか渡世観とか死生観とか、そっちの方まで誘われて、読み終えるとしんみりとした感慨に耽っていたりして、少し哀しさを伴ったような温かい気持ちで満たされていました。
タイトル通り、怨霊や神様や亡霊など冥界の面々がたくさん登場します。 彼らが物語と史実の綾を見事に絡め合わせて、作品に生き生きとした彩りと深みを与えてくれています。 まず主人公の葛木連戸主からして・・いやこれは書かない方がいいかもなのだけど、妻の広虫との繋がり合いが乙女心を非常に喜ばせる展開に・・
みんなよかったですが、個人的には最終話が好き。 プライドと女心の間を揺れ動く、称徳天皇の人間としての真っ当な脆さがリアルに痛々しい。 ショボめの道鏡もなんだかよかった。 エンディングの美しさにやられてしまったのかも。


天平冥所図会
山之口 洋
文芸春秋 2007-07 (単行本)
関連作品いろいろ
★★★
| comments(2) | trackbacks(1) |
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C O M M E N T
こんにちは♪ TBありがとうございました。
古い時代を扱いながら、意外と小難しくなくて、するすると読めました。確かに、このイラストも親しみやすさ倍増で可愛いです。

>ショボめの道鏡……。笑
ぎらぎらした感じの、ラスプーチンみたいな人物を想像していただけに、いい味でした♪ 主人公夫婦もですが、聖武天皇&光明皇太后、称徳天皇&道鏡と、どのカップルもよい関係を築いており、そこに健康的な魅力を感じました。
| 香桑 | 2010/02/16 |

ねね、可愛いですよねー。 >イラスト
三木謙次さんのハンディタッチ、好きなのです♪

3カップルの愛のかたち、それぞれにじんわりしましたねぇ。
称徳天皇はダメダメ天皇なんだけども、
ツンデレ女の痛さが、なんだか切なかったわたしです;;

ホント、道鏡は意外でした〜。
最初、イラスト見た時、あまりのギャップに、はあ? ってなった^^;
そして読んでみて、仲麻呂〜w そう来るかっ!! って。

悲しみや怨嗟、世の移ろい・・とっても深いものを蔵しているのに
不思議なくらい可愛いらしくて軽やかな作品でした。
健康的! ぴったりな表現ですね^^
| susu | 2010/02/17 |









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天平冥所図会
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