チマチマ記 / 長野まゆみ
飼い主のマドモアゼル・ロコとはぐれて放浪中、寒い早春の夜に拾われて、宝来家の一員になったチマキとノリマキの兄弟子猫。 翻訳業の傍ら、フリーペーパーに人気コラム“コマコマ記”を連載している小巻おかあさんの真似をして、兄猫のチマキが書き始めた“チマチマ記”。 という体裁の本です。
朝ごはん、昼ごはん、飲茶パーティ、おやつ、ピクニック、お楽しみ会・・ 早春に始まり真冬までの一年に渡って、ちょっと複雑な家族構成の宝来家の様子が、ソーセキの「猫」風に猫目線で綴られていきますが、ごはん係りを務めるカガミさんの四季折々の賄いと、家族の食風景に特化したレポートです。
何かとフランス風味でコーティングされた、アーティスティックでクリエイティブな、少しばかり調子外れで優雅な一家。 世田谷辺りのお宅かなーと勝手に想像した。 こういうスローフードなお洒落ライフ・・ 憧れるけど自分には無理だわー;; でもたまに取り入れるくらいになら手間暇かかるほどでないメニューも色々紹介されていたし、シラス干しを炒って作る出し汁、バルサミコ酢×粒マスタード、ネギ油あたりの万能感は是非とも参考にしたい。 “にゃんごはん”の献立も侮れないよ。
普段使いの小食堂やキッチンというミニマム・スペースで、ほぼ食材や調理方法の話題のみで進行していく話なんですが、美味しくてヘルシーな料理が日々の暮らしの中にあることの有り難さと、家族への想いやりが一つになった、健やかでハッピーな陽だまりのような空間。 (子猫バージョンの)兄弟ものですし、(心は女子の)カガミさんと居候の桜川くんとのニアミスなどは、長野さんお箱のシチュエーションですが、ほんの味付け程度であり、ほっこりした雰囲気を補強する絶妙の匙加減。
チマキの筆なるノリマキの可愛さにメロメロなのは勿論、庭のクロウ夫婦とジュニア(親離れ子離れできないカラス親子)がお気に入りw ジャン=ポールの正体は最後まで仄めかしだけの方が素敵だったと思ったり。 キウイってマタタビ科なんだー。 ふふ。 ガールハントの季節もすぐそこだね、チマキ♪


チマチマ記
長野 まゆみ
講談社 2012-06 (単行本)
関連作品いろいろ

| comments(0) | trackbacks(0) |
C O M M E N T








http://favorite-book.jugem.jp/trackback/886