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長崎・人魚伝説 / 山崎洋子
江戸後期、異国へ向けて開かれた日本の窓、長崎の出島が舞台。 開国より50〜60年遡る時代の物語で、開国へと繋がる流れの先駆けのような波がさざめき始めている時代の息遣いを感じる。
この物語では、平賀源内(の意志を継ぐ者たち)は積極的な開国派。 司馬江漢は、まだ機が熟していないと冷静な読みを示している。 お上(の手先たち)は、もちろん鎖国政策派。 三つ巴といった感じで野望が交差する中で、運命に翻弄される長崎丸山遊郭の遊女瑠璃。 時代物社会派ミステリーといった感じだ。
大筋で「人魚姫」をなぞったストーリーになっている。 そこを最優先して作られたのかもしれない・・展開的にはちょっと乱暴な気がしないでもなかったのだけれど、源内や江漢など、鎖国の時代に世界に目を向け、よいものを積極的に学ぼうとした蘭学者や洋絵師たちの眼差しの強さが伝わってくる。 やがて時代を動かす志しの胎動が眩しい。
甘い香りの南蛮菓子、更紗模様の手拭い、ギヤマンの盃、ビロードの障子、花模様のペルシヤ織物、胡弓やチャルメラの悲しい音色・・異国情緒に彩られた情景描写が美しかった。


長崎・人魚伝説
山崎 洋子
集英社 1995-07 (文庫)
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