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赤緑黒白 / 森博嗣
規則性のある連続殺人事件、“殺人のための殺人”とか、“無意味なことに意味がある”といった犯人像のキーワードや、保呂草の危うい存在感など、一作目の「黒猫の三角」とオーバーラップせずにはいられない。 一作目と十作目、最初と最後の作品に気脈を通じさせてシリーズを集成する手法は、S&Mシリーズに勝るとも劣らぬ巧みさでした。 ただ、ミステリ単体では見劣り感が否めない;;
Vシリーズもとうとう終焉です。 いきなり余談ですが・・ 紅子さんが火(ホットでドライ)、保呂草が風(クールでドライ)、練無が水(クールでウェット)、紫子ちゃんが土(ホットでウェット)。 ちょうど星占いの四元素(?)のイメージにぴったりな四人組だなぁーと思って読んでた^^ そ、それだけなんだけど。
以下、ネタバレしますのでご注意ください。 保呂草は宣言通り喋りませんでしたが、紅子と「少女時代の真賀田四季」との邂逅という決定的な場面が盛り込まれていたのは、森さんにしては親切な種明かしだった方? 諦めていただけに報われたと感じました。 そして図書館のシーンの、あぁ、なんというデジャ・ヴ! S&MとVにまたがる美しいシンクロ!
保呂草の“手記”だから、てっきりわたし、登場人物は実名を避けて書いたというオチかと思っていたら、ちゃんと本名だったなんて御見逸れしました。 この策略には全く気づけなかった。
へっ君はお父さんの戸籍」なんだね。 勝手に偽名オチと思い込んでたから、へっ君のイニシャルだけ(瀬在丸の“C”でも林の“H”でもなく)“S.S”と本名チラつかせるのがフェアじゃない気がして納得いかなかったんだけど、ちゃんと辻褄が合いました。 ごめんなさい。
一つ、非常に残念だったのは、「捩れ屋敷の利鈍」があだとなって、せっかくの紅子さんと保呂草のラストシーンがあんま心に響かなかったんだよなー。 「どうせこの先も腐れ縁なんでしょ」? とか思っちゃって;;
Vシリーズそのものが、フィルタをかけて演出された異色シリーズだっだんだから無理もないけど、なんか最後まで、地上数センチくらいを浮遊しているようなもやんとした印象で終わっちゃったなぁ。 個性的なキャラクタがいっぱい出てくるのに、人間模様といえるほどの関係性が殆どなく、みんなが核心に触れないように、一歩を踏み込まないように、誰かが押せば誰かが引いて、傷つかないように、傷つけないように、進展するでも後退するでもなく、ずっと曖昧なまま、壊れないように、壊さないように、均衡状態を維持しているみたいな繊細さが、優しくて虚しくて、少し哀しく映るのでした。 それだけ。
まあね。 「20年後のへっ君とせっちゃんが仲の良い兄妹になれて本当によかったなー」と、うるうるできるだけでVシリーズ読んだ甲斐があったというものです。 S&Mシリーズの二人のシーンをもう一度読み返してしみじみと悦に入りたい。
“制約”のあるキャラだから描き方にご苦労があったのだろうけども・・ 結局、林とは何だったのか? と、どうでもいいような疑問符が残るんだが、わたしなりに感じたのは、紅子ほどの人でも、誰かを“好き”という、理性で割り切れない気持ちに支えられて生きているんだよなぁってこと。 たとえ、道徳観や倫理観など後から作られたルールが取り払われたとしても、時代によって変質してしまったとしても、“他者を想う”というプリミティブな行動原理に立ち返ることができれば、人は決してブレることはないのだと。 奇しくも林の無個性がアシストして、紅子のそんな心をシンプルに映し出してくれたのかも。
でも、森さんの思い入れの強い究極の人物って、紅子さんでも犀川先生でもなく、やっぱり真賀田博士なんでしょ? S&Mシリーズを読み終えた時にも感じたんだけど、森さんって“賢さ”こそが人間の明かしだと信じている人だと思うんだ。 もうラディカルなくらい。 人間性とは“愚かさ”にあるのだと思えてしまう自分は、それを言い訳に向上心を放棄し、諦念という生温かい安心感の中で楽ちんを得ようとしてるんだろうなーとは思う・・思うけれど、だからといって“生きることを自分に任せる”という、森さんが描こうとする崇高な境地に辿りつけると安易に思い込むのはとても危険。 なまじわかった気になって勘違いをしてしまうことへの警鐘・・それが犯人像に顕れていたような気もしたり。 人間が自分の愚かさを自覚できなくなったらおしまいだと思う。
なんかもう、真賀田博士を理解しようとすることすら怖いというか、はっきり言ってかかわりたくない気がしてて、この先、四季シリーズを読もうかどうしようか迷ってるくらいだよ^^; 結局、わからないことが怖いから、なんとか自分なりに理屈をつけて、理解したつもりになって安心を得たい。 でもそういう心理をあざ笑うかのようにトリッキーな思弁的迷路へ誘って、容赦なく読者を撹乱するのが森流儀なんだよね・・あぁ、ジレンマ。


赤緑黒白
森 博嗣
講談社 2005-11 (文庫)
関連作品いろいろ

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朽ちる散る落ちる / 森博嗣
前々作「六人の超音波科学者」の後日談的作品です。 挿入エピソードのうち、風呂敷が畳まれずに終わってしまい、ヤキモキしていた部分は、本作で無事回収されることに。 まだ読んでないのですが、短篇集「地球儀のスライス」に収録されている「気さくなお人形、19歳」を前段とした三部作として読むと補完し合えてベストみたいです。
というわけで、舞台は土井超音波研究所。 最初のページの込み入った見取り図が前々作と全く同じなので、一瞬、なんだなんだ間違い探しか? と思って見比べちゃったよ^^; 内輪の小さな揉め事じみた印象から一転し、なんともドでかいスケール。 ルートが暴かれてアクセスが可能となった研究所の地下に眠る秘密と、人工衛星で起こったトップ・シークレットの殺人事件。 双方の関連が俄かに浮上し・・ 常軌を逸した地下と宇宙のダブル密室ものです。
理系全開のハードな物理トリックは紅子さんの説明を聞いていてもさっぱり頭に入ってこなかったので、きっとごっついトリックなんだろうなーと漠然と想像しつつ、ふんふん、そういうもんなんだーと思って適当に読んじゃいました。 申し訳ない;; なまじ森さんが密室作りに本気出すとこういう方向に走るんだよね。 知ってた。 でも、理解不能なくせに、そんなに嫌じゃないだよわたし。 変なの。
小田原博士の代理で超音波研究所のパーティに参加した紅子と、外国の飛行機事故で“死んだことになっている”纐纈老人の孫娘にそっくりという縁で、紅子と一緒にパーティに参加した練無。 この前々作の設定はむしろ、本作で存分に活かされ、実を結んでいたように思います。
あり得ない事件に短期間のうちに何度も遭遇するという、シリーズもののミステリでは触れちゃいけない暗黙の了解事を、エピローグで保呂草が律義に穿り返しては、あの手この手の詭弁を弄して論破を試みようとするんだよね。 これがシリーズの余興のようにもなっていて、わたしの秘かな愉しみだったりします^^
機千瑛が無双っぷりを見せたり、森川くんが駄洒落(のつもり?)を言ったり、サブキャラに華を持たせてあげてたから、ネルソンも、まさかまさかのへっ君発見の大手柄? なぁんてことにはならず、やっぱりネルソンはネルソンなのであったw
もう9作目なんだよねぇ。 なんかシリーズ中、一番しみじみさせられるストーリーだったなぁ。 えへへ、泣いちゃったよ。 馴染めない馴染めないと愚痴り続けて来たけど、あと一作で終わってしまうのが無性に寂しいな。 こんな心境になろうとはね。 ここまでくるともうバレバレな70年代フラグを立てて、読者への注意喚起を盛んに行ってくれています。 もう伏字にする必要もないでしょう。
エピローグの草野球観戦シーンが絶佳。 何でもない日常の、その掛けがえのない瞬間を無菌カプセルに封じ込めたような輝きの中に、有限の儚さと甘く切ない郷愁が香ります。 このVシリーズ、思い入れ深いキャラクターは見出せず仕舞いだったのに、それぞれの個性の中にみんなが優しく調和していて、静かな感動さえ呼ぶ、忘れられない名シーンだったと、わたしは思いました。


朽ちる散る落ちる
森 博嗣
講談社 2005-07 (文庫)
関連作品いろいろ
★★
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捩れ屋敷の利鈍 / 森博嗣
「魔剣天翔」に登場した宝剣“エンジェル・マヌーバ”を求めて、現在の所有者である熊野御堂家の主に接近を試みる保呂草は、美術鑑定士として別荘に招かれることに。 そこでN大学院生の西之園萌絵と、私立大学助教授の国枝桃子の2人と邂逅を果たします。
ということで、なんと、大興奮のスペシャルコラボ作ではありませんか。 S&Mシリーズ、Vシリーズと順番に読んできた読者なら、登場人物紹介ページを目にして、よっしゃ!! って思ったはずです。 以下、未読の方はご注意くださいませ。
読者が薄々感づいて、期待に胸ふくらませること暫し、もうそろそろ我慢の限界ぃ! って頃合いを見計らっての狙いすました一冊・・には違いないと思うんですが・・
いやぁー、見事、期待に応えませんなー。 尻尾を出しません;; エピローグに紅子を登場させたことがせめてものサービスなのだよと、プロローグで示唆している通り。 うぅ、食い足りない食い足りない。 結局このままはぐらかされてシリーズ終わるんだろうな。 だって保呂草が“永遠に喋らない”って宣言しちまってますからね。
ま、自分の場合、明確な答えを手渡されないもどかしさの中で悶え読みするのが森ミスの正しい読み方(嘘です)と思っているので、イヤよイヤよもスキのうち(?)なんだけどね^^;
数寄者の主が別荘に建てさせた白いコンクリート製の巨大なオブジェ、通称“捩れ屋敷”は、中心部を空洞化した“メヴィウスの帯”状の構造で、内部は間仕切りされた36個の部屋が連なってエンドレスの通路になっており、エンジェル・マヌーバもこの部屋の一室に眠っています。 更に敷地内には、密室の謎解きのために造られたとおぼしきログハウスまで存在し・・ 保呂草&萌絵コンビでお送りする、隔離された特殊空間での殺人事件と宝剣消失のミステリィ。
確かに、保呂草が指摘する通り“風変わりな手法”で犯人が言い当てられていました。 正規のミステリファンにはボコられること確実な、こんな意外性がまだ残されていたんだと顔を引き攣らせながら納得しました。 探偵役のプライド放棄にもほどがあるだろ;; 結局これは、保呂草の本質が探偵ではなく美術品泥棒であることを示唆しているのだろうと強引に咀嚼。 あと、犯人の扱いが;; 卑俗、凡庸を見下して小馬鹿にしている森さんの最終兵器発動みたいな寒々しさもちょっと感じたかな。 ミステリ的には、建造物の意匠を楽しめれば吉かなーというところで。
“一時の違和感を楽しんでいただきたい”とは、記述者、保呂草の言葉。 “捩れ屋敷”の左右の壁、天井と床は、“一度も接触していないのに実は繋がって”いて、まるで「紅子さんと犀川先生」のよう。 歪んだ時空を予感させ、平衡感覚を奪うようなイメージの広がりによって演出されるに相応しい思惑を秘めた(そう思っていいんですよね?)作品です。
“制約”を考えると無理もないと思うわけですが、Vシリーズからは、保呂草のみの登場です。 今回は、萌絵が七夏の穴を埋めてくれてた感が^^; ごめん、さっき“&”って書いたけど“vs”のが近いね。
萌絵もだけど、国枝先生に久しぶりに逢えて嬉しい。 保呂草の国枝先生観察がGJで、取り付く島もないほど硬質で無機的なのにチャーミングなんだよねー。 やはり個人的に国枝先生が和む。 受話器の向こうのすっとぼけた犀川先生きゃー、声だけでも聞けて喜ばしい。 相変わらず萌絵に甘えてますねー。 “切るよ”とか“来なくていいよ”とか言っちゃってさー。 萌絵が“あ、待ってください!”とか“いいえ、伺います!”とか応えてくれるのがわかってるからってさー。 このこのこのぉ「へっ君のくせにぃーwww」 はぁー、S&Mシリーズに帰りたい・・
余談ですが。 伏字にしなくていいかな、まぁいいや。 “瀬在丸紅子と西之園萌絵の二人の類似を、私よりもさきに知った人物がいたことだけは確かだ”と、保呂草さんが言ってますが、これ、「犀川先生マザコン」フラグでOKですか? 冗談です。 でも冗談抜きで、そもそも紅子さんて、「萌絵と真賀田博士を足して2で割ったっぽくないですか」? んもぉ〜、へっ君たら! 顔がニヤけて元に戻らないので助けて。


捩れ屋敷の利鈍
森 博嗣
講談社 2005-03 (文庫)
関連作品いろいろ
★★
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六人の超音波科学者 / 森博嗣
愛知県の山岳地帯、ある山の頂き近くに建てられた最先端の超音波研究所のパーティに招待された紅子と練無。 招かれなかったものの、成り行きで参加することになった保呂草と紫子。 唯一のアクセスルートである橋が爆破され、“陸の孤島”と化した研究所で殺人事件が発生。
久々にガチな(見取り図付き!)館系ミステリ来ましたー。 いわくありげな雰囲気満点のシチュエーションに、登場人物の保呂草や紅子まで、のっけから胡散臭さを嗅ぎ分けている様子で、そんな不自然な状況を“残留した応力が解き放たれないまま凝結してしまった物質みたい”などと表現している紅子です。
さすがにVシリーズにも力づくで馴染んできた感があり、キャラがそれなりに自分の中で咀嚼されてきた分、シリーズ補正でかなり楽しめるようになりました。 最近はもっぱら、トムとジェリーみたいに仲良し(笑)な、七夏&保呂草のリレーションシップに期待してたりして。 あと、七夏さー、この際、立松くんで手打っちゃったら? 幸せになれるよきっと・・などと、いらぬお世話をしたくなったり。 もしかしてわたし、七夏が好きなのかなw
メイントリックはオーソドックスでこれ見よがしなほど王道。 森さんが王道? 冗談でしょ? ってことをわざとやってる節があります。 保呂草による講釈(いつもの手続き)において、“やりますよ”と、作為を宣言することで抜かりなく予防線を張って、弱点を美点にすり替える十八番の技が発揮されてるし。 反則〜と思うけど突っ込めない・・それが森ミス。 魔法陣の暗号解読が面白かったな。
気になったことが一つ。 先の作品で回収する予定があるのかもしれないけど、凝りに凝ったミスディレクションのつもりなのか、単なる肉付けにしてはあまりに中途半端で勿体無い素材があって・・ ついついそこをもっと教えて!って気持ちになっちゃう。 こういう放置プレイはほんと意地悪だと思う・・orz
明らかに不可能だと思われる行動がなされた形跡はなく、今回はいつものような密室ものとは一味違う感じ。 読みどころは、やはり何と言ってもクローズド・サークルの緊張感。 そして、どのような意志でパーティが開かれ、なぜ殺人事件は起こったのか? といった動機方面に力点が置かれていたのも特徴的で、森さんにしては珍しく卑近な分かり易さで描かれていました。 それにしても・・ 理論と実践はイコールで結ばれないことを上手いこと証明してくれましたな。
物語中の電子工学的な技術の水準から憶測するに、やっぱり「時代がかなり昔」なんじゃないかという期待が膨らみ、わたしの妄想は着々と後押しされておりますw

<後日付記>
あぁぁぁ! ちゃんと順番に読んでいれば“あまりに中途半端で勿体無い素材”なんて浅はかな感想を書かずに済んだのに><
練無と纐纈氏の繋がりは短篇集「地球儀のスライス」の中の「気さくなお人形、19歳」という短篇で描かれているのだそうです。 更に、未回収の部分は「朽ちる散る落ちる」への伏線として作用していることも判明しました。 せっかちなぼやき、申し訳ありません。


六人の超音波科学者
森 博嗣
講談社 2004-11 (文庫)
関連作品いろいろ

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恋恋蓮歩の演習 / 森博嗣
全く気づけなかった・・orz むっちゃ楽しかったー。 まさか、Vシリーズで豪華客船が舞台になろうとは思わなんだ。 前回が“空中密室”なら、今回は“海上密室”といったところ。 「魔剣天翔」との関連が濃い作品なので続編として読むことを強くお勧め。 シリーズの中で(今んとこ)一番好き。
那古野港入りした世界一周中の豪華客船“ヒミコ号”に乗船することになる紫子と保呂草(仕事組)、練無と紅子(無賃組)。 関根朔太画伯が若い頃に描いた唯一の自画像を落札した日本の資産家と、それを取り戻したいフランスの大富豪と、初々しい一組のカップルと・・ 船上で繰り広げられる陰謀とロマンの物語。
多用される禅問答のような抽象表現は“どうとも取りようがある”ため、つい深読みを誘われて撹乱されてしまうんだが、そこを隠れ蓑に実はストレートな伏線がしれっと紛れ込んでいて、それを言質に漫然と言い包められてしまうという;; 固定読者にはお馴染みのパターンとはいえ、本格ミステリ読みには、こんなのありー? なギリギリ戦法に思えるかもしれない・・が、しかし! 今回は、最終章からエピローグにかけて披露される事件収斂への種明かし、その全てのオチが気が利いていて、モンヤリ感なんか吹っ飛ぶレベル。 絵画消失も人間消失も、おまけに“おみやげ”までも、着地点が粋で洒脱で華があった。
前作のプロローグに“絵に描かれた画家の意志を見る”という絵画に対する保呂草の姿勢が示されていたけれど、これが今作の終章に綺麗に照応しています。 そして再び(!)ダーティな保呂草像が浮き彫りになりつつあり、最終的にどんな像を結ぶのか見届けたいという気持ちが盛り上がってまいりました。
七夏の子分の立松刑事がいい味出してたなー。(レギュラー昇格希望したいw) おかげで七夏まで好感度アップ。 七夏とのツーショット写真がツボです♪  
“私は、ある時点で自分が既に気づいている事実を書かないだろう”」とか、「“固有名詞は元来、対象を一対一で結び付いているものではない”」など、語り手、保呂草潤平の申し開きは、この作品だけに掛かっているわけではないんじゃないか? と期待を込めて邪推したくなる。 森博嗣の何が凄いかと言ったら、作品を越えて、シリーズを越えて張りめぐらされるマルチCPUな伏線にこそありそうで・・ まだ未知数だけど、そんな予感に胸を高鳴らせてしまう。

<追記1>
保呂草=ルパン三世、各務亜樹良=峰不二子、七夏=銭形のとっつぁん、説に拍手! よくぞ言い当てたものだなーw

<追記2>
“蓮歩”という言葉の意味を調べて下さったamazonレビュアさんがおられました。
紫子と練無のあのシーン、わたしもいいな!と思ったのに記憶の網からこぼしてしまいました。 書き留めてくださったことに感謝。
タイトルにある蓮歩という言葉がとても素敵ですね。辞書で調べたら、水に浮かぶ蓮の葉の上をしなやかに歩くとありました。作品中にある大笛さんの恋人に向ける愛も、保呂草さんの大泥棒ぶりも、シコさんの保呂草さんへの気持ちも、なんだか全て蓮歩という言葉の上に成り立っているように思います。森作品で泣いた事はありませんでしたが、この作品中、前夜飲みすぎたシコさんが翌日目が覚めて練無と船のデッキで話をするシーンに、蓮の葉の上をしなやかに歩こうとするシコさんが見えて切なくなりました。


恋恋蓮歩の演習
森 博嗣
講談社 2004-07 (文庫)
関連作品いろいろ
★★★
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